当社は、他社に先駆けて紫外線LEDの構造、製造方法に関する特許を中心に、効率を向上させる技術、MOCVD装置関連、更に紫外線LEDを使った応用製品に関する特許を数多く出願、取得している。
たとえば、結晶転位を低減する方法として、高温SiN中間層及び低温GaNPバッファ層や低温SiNバッファ層を用いることを見出している。
図(a)には高温SiN中間層を介して成長したGaN層の断面の模式図とTEM像を示す。2枚のTEM像は、電子線入射方向を変えて観察したもので、図中にバーガーズベクトルを示す。高温SiN中間層において転位密度が30~50%低減できている。
また、図(b)に低温GaNPバッファ層を用いたアンドープGaN層の断面模式図とTEM像を示す。低温GaNPバッファ層を用いることで、転位密度は1-5 x 109㎝-2から5 x 108㎝-2以下に低減できた。これらの方法は、いずれも複雑なプロセスを経ることなく転位密度が低減できるので、生産性に優れている。
この他、発光層のIn組成不均一性を増大させることを目的に、Gaドロップレット層と呼ばれるナノサイズ領域を挿入する構造と、窒化シリコン(SiN)の単分子層を離散的に形成する構造を用いることで、バンドギャップのゆらぎが助長されてAlInGaNの発光効率を約2倍とした。


また、LEDを交流電源によって駆動する技術は、海外LEDメーカーにライセンスされている。
