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開発した白色LEDは紫外線LEDの光を赤、緑、青の3色(RGB)の蛍光体に通すことで、白く発光させる仕組み。 白色LED開発で現在の主流は、青色LEDの光を黄色の蛍光体に通す方式。この方式では、Ra値(自然な色の度合いを表す数値)は70程度。これに対して、紫外線LEDとRGB蛍光体の組み合わせでは95を超え、自然色に近い水準を達成した。
RGB蛍光体を使うことで、主流方式での難点とされる照射部分の周囲に青い輪が生じる色分離や、色のばらつきなどの問題を解消した。再現できる色の範囲も主流方式より30%広がる。RGBの構成比率を変えれば、電球色や蛍光灯色などさまざまな色温度を実現できるという。
ナイトライドは東芝グループの東芝マテリアル(東京)と協力し、3年前から開発に着手。紫外線LEDで出力世界一を実現したナイトライドと、蛍光材料応用で実績を持つ東芝マ社の技術を融合し、製品化に向けたコストの課題もクリアした。
白色LEDは家庭用照明や液晶テレビなどへの応用が急速に進み、2010年度内には現在の9倍となる4500億個(チップ換算)が必要になるとの予測もある。需要拡大に伴ってチップの単価も下がっているが、ナイトライドは価格競争を敬遠。当面は、製品の特長が最大限に生きる医療用や美術館向けなどの照明分野に需要を見出したい考えだ。
ナイトライドの村本宜彦社長は米シアトルで5月にあったディスプレー関連学会に招待され、白色LEDの開発成功を発表。関心を持った複数の海外メーカーから商談が舞い込んでいるという。同社では月産1千万個を当面の目標としていて、村本社長は「LEDではこれが本物の白色光。韓国に傾きつつあるLEDの主権を取り戻す」と意気込んでいる。