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ナイトライド・ストーリー

Chapter 119

「いよいよ戦いの火蓋は切って落とされた」と書くと大袈裟だが、弊社も知的財産権侵害を争わなければならなくなった。既にプレスリリースで発表の通り、米国の深紫外線UV-LED製造ベンチャー企業が、弊社の米国特許を侵害している疑い(まだ判決が確定していないので一応)が濃厚なので、訴訟を提起した。

弊社は、2000年から主にUV-LEDの構造に関する国際特許を出願して来た。正直、当初は1件当たり約500万円も掛かる国際出願の意味があるのかとさえ思った。小さな会社なので何でも出願することはできないが、数億円費用を掛けて知財権を取得して来た。

設立から3年経過した辺りに、特許が成立しているものがほとんどだが、当時は、製品の売れ行きもさっぱりで、技術開発型ベンチャーの難しさを痛感した。特許に記述された構造自体は近紫外線に限定されず、深紫外線にも応用できるよう請求項が広く取ってある。

深紫外線UV-LEDの開発が盛んになったのはせいぜい2010年あたりなので、2003年に成立した特許はUVC領域の新規参入組を一網打尽にできる。これらの特許を所謂、特許トロール専門の米国の会社が買いに来たが、「天文学的金額を払えるのか?」と冗談交じりに断った。実際にそれ程の価値があると信じている。

弊社は、これらの特許を韓国ソウル半導体グループに独占的に使用することを認めた。それは、このグループのトップが、創業当時から知財を大変リスペクトし、弊社の結晶成長技術とこのグループのチッププロセス加工技術が車の両輪のように協調し、厳しい時期もお互いが切磋琢磨しながらUV-LED分野を切り拓いてきたという歴史があるからだ。

この19日から発売する殺菌器と殺菌消臭器更に蚊取り器を加えたLEDピュアシリーズは、米国SETi社、韓国ソウルバイオシス社と弊社の17年にわたる努力の結晶である。

国際宇宙ステーションに採用されるということの凄さを理解して欲しい。排気出来ない無重力密閉空間に於いて循環する空間を殺菌洗浄するということが如何に大変か。汚染されれば宇宙飛行士の健康、最悪の場合は命が危険に晒される。殺菌できても有害なオゾンが発生したり、カラフルなLEDが点滅するだけの効いている感では誤魔化せない。当然、故障は絶対許されない。発射時の大きな衝撃と振動に耐え、確実にそれもエネルギーを節約して長期間働かなければならない。

TVCM、電車中吊り広告、雑誌その他でプロモーションを展開する製品は、前章でも触れた通り、「殺菌」「消臭」「蚊取り」といった基本機能を重視し、その機能を発揮するために大部分のコストを割いている。従って、表示ディスプレー、センサー、タイマ―といった余分な機能は一切なく、基本的にオンオフのスイッチしかない。売価は平均して1万円弱に抑えてある。昨年の今頃深紫外線UV-LED1個1~2万円もしたことを考えれば、いかに戦略的な価格設定であるかご理解いただけると思う。

ブランドイメージを演出する製品vs.本当に効く製品の戦いの火蓋が切って落とされる。

世界初 波長275・365nmダブルUV殺菌

世界初 波長275・365nmダブルUV殺菌

平成29年06月14日

LEDピュアシリーズ発売を目前にして

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