ナイトライド・ニュース
光半導体ベンチャー企業のナイトライド・セミコンダクター(徳島県鳴門市、村本宜彦社長)は、商品化されている中で最も波長の短い紫外線発光ダイオード(LED)を開発した。8月からサンプル出荷を始め、樹脂硬化用光源としての需要を見込む。徳島県が進めるLED産業の集積を目指した「LEDバレイ構想」にも弾みがつきそうだ。
ナイトライド・セミコンダクターが新たに開発した紫外線LEDは、355ナノ(ナノは10億分の1)メートル、360ナノメートルの二波長。これまで量産されていた中では、同社と日亜化学工業(徳島県阿南市、小川英治社長)が販売している365ナノメートルが最も短かった。
材料はアルミインジウムガリウムナイトライド四元系。一般的に波長が短くなるほど発光効率が悪くなり、強い出力の紫外線を得るのが難しい。同社は発光層に窒化ケイ素を入れた新しい結晶構造を開発することで、短い波長で高出力を実現した。
半導体回路の腐食防止などのために樹脂膜を硬化する装置の光源として売り込む。現在は消費電力や発熱量が多く効率が悪いうえ、水銀を使用し環境面からも問題がある紫外線ランプが多く使われている。同社が生産している365ナノメートルの紫外線LEDより効率よく樹脂硬化できる。
製品は基板そのものと、ランプに加工したものをそれぞれ販売する。出力は0.5ミリワットから1ミリワット。価格は数量によって異なるが、10万個であれば1個当たり100円前後になる見通し。初年度の売上高1千万-2千万円を目指す。ナイトライド・セミコンダクターは2000年4月設立。これまで365ナノメートル、370ナノメートル、375ナノメートルの3波長の紫外線LEDを発売してきた