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世界最高出力!UV-LEDの面発光に成功

□世界初の快挙

 この度、新技術独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(通称NEDO)によるベンチャー企業支援事業「イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に於ける「大面積UV-LEDの高効率面発光技術の低コスト量産実用化技術開発」におきまして、世界最高クラスのUV-LED面発光に成功いたしましたのでご報告いたします。

 現在、半導体の露光用、樹脂を硬化する産業用光源として紫外線(UV)ランプが使用されているが、効率が低い、寿命が短い、環境汚染物質の水銀を含むといった問題があった。

 昨年10月水俣市で開催された政府間協議「水銀に関する水俣条約」(通称 水俣条約)に於いて2020年までに水銀の製造、輸出、輸入を禁止する方向で合意がなされた。国連環境計画(UNEP)によると人の活動で大気中に放出された水銀は2010年推定で1960トン。途上国を含む東アジア、東南アジアが40%を占めるとしている。

 また、金属精錬の過程で発生する水銀や、乾電池、水銀ランプのリサイクルによって発生する水銀を日本は年平均100トン以上、インド、シンガポールへ輸出している。(2006年は250トン)

 製品の製造過程で大量に消費される紫外線ランプをUV-LEDに置き換えることで、消費電力7割以上削減、寿命は20倍以上、産業廃棄物を大幅に削減できる上に、環境汚染物質を含まないため、高出力のUV-LEDを大望する声が強い。

 この度の研究開発は、半導体露光等に要求される平行光を得やすくするために大面積でのUV発光を目標に開発がなされた。

 具体的には5mm×5mm、10mm×10mmサイズでの大出力化を目標に開発を行った。

 一般的に、LEDの半導体チップのサイズは、300µm×300µmからせいぜい1mm×1mmサイズが一般的で、これ以上面積が大きくなると放熱が難しくなるため、電流を沢山流しても大きな出力を得る事は難しい。

 弊社は、上下に電極を形成する1.05mm×1.05mmサイズのVチップを銅製基板上に高密度実装して高出力を達成した。

大面積UV-LED

世界最高の高出力・高効率面発光を達成!

計測結果
面発光サイズ5mm×5mm (於 室温20℃)
・波長365nm:
19.42W (24A) 発光効率 23.81%
・波長380nm:
28.18W (24A) 発光効率 35.98%
・波長405nm:
26.01W (24A) 発光効率 35.39%

面発光サイズ10mm×10mm (於 室温20℃)
・波長365nm:
25.00W (45A) 発光効率 16.35%
・波長385nm:
49.78W (45A) 発光効率 33.90%
・波長405nm:
48.49W (45A) 発光効率 35.19%
大面積UV-LED発光

□市場背景

 電気料金値上げ等の影響もあり、液晶パネル、半導体、樹脂硬化、UVインク硬化等の製造工程において大量に使用される紫外線ランプ(以下UVランプ)をUV-LEDに切り替える検討が進んでいる。

 従来、UV-LEDの出力が弱く、価格が高いことがネックとなって切り替えが進まなかった。

 近年、急速に普及しつつある3Dプリンターは、依然UVランプを使用しており、UV-LEDを使用することで、よりコンパクトな製品が実現できる。

 また、半導体露光機、樹脂硬化装置といった大きな装置が卓上型サイズになり、大企業だけでなく、中小企業、個人でも購入できる半導体製造装置が登場すれば、製造革命が起こる程のインパクトがある。

 今回の研究成果は、権威ある業界専門誌Semiconductor Science & Technology に「Development and Future of Ultraviolet Light-Emitting Diodes ~UV-LED will replace UV Lamp~」として掲載される。

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