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ナイトライド・ストーリー

Chapter 130

米朝会談は、あっけなく終了した。 トランプ大統領のこわばった表情が印象に残った。 何か、弱みを握られているのではないかと勘繰りたくなる程、北朝鮮に譲歩したように見受けられた。 先に会談を終えた中国の何らかの圧力があったことは、想像に難くないが、日韓も含めた米国側には果実が乏しく感じた。

さて、今週は中国上海より南の地方都市広州で照明の展示会があり、講演した。 講演中に、聴講者が一斉にスマホで、プレゼン資料の写真を撮る姿は、著作権が曖昧な国情を表しているが、その熱意には感心する。 新しいものを吸収しようとする貪欲さは、先進国の人々を超える。

亜熱帯気候の蒸し暑さはさておき、展示会の桁違いのスケールには驚かされる。 東京ビッグサイトを全館二階建てにしたような広大な展示会場が満杯。 LED製品だけでなく、製造・検査ラインに至るまで並べられている。 2年前、上海経由で地方都市を訪れた時よりも、インフラの整備が進んで、着実に近代国家に変身しつつある。 しかも、大型ディスプレー、街灯、サイン関係はすべてLEDで、デザインも進歩している。 先進国に於いては、既にピークアウトしたLED業界に、これだけの活気があることには、違和感があるが、国土が巨大なので、道路に街灯を設置するだけで、途轍もない需要があるのだろう。 ただ、そのLED業界でさえ、次のネタを探すのに必死といった感じ。 太陽電池、LED、液晶パネルで世界の頂点を極めた中国が、次に経済を牽引するネタを探しても、その解は先進国にない。 自らが、新たに生み出さなければならない立場になった。

実際に、展示製品を見ていると、技術、品質面で飛躍的に進歩している。 日本よりも進んでいると思えるものも多く見かけた。 今後、差は広がるばかりだ。 中国の大学教授の発表も聞いたが、資金が潤沢にあるのか、先進国が研究を放棄した研究が続けられている。 自らの経験からしても、諦めずに続けることが重要なので、将来的には、中国が研究開発でも、主導的立場になるだろう。

また、行きかう人々のファッションは、高齢化とデフレの日本より、おしゃれでソフィスティケートされている。 ホテルの従業員の教育も徹底していて、たとえば、早朝出発だったので、ドアマンに前日に「明日の朝5時半にタクシーを一台(当然、英語の会話)」と告げたら、当日、早朝にも関わらず、行儀のよい運転手が車を停めて待っていた。

こんなことを書くと、愚痴っぽく聞こえるが、いつまでも、中国や北朝鮮の人々が自転車で走っているという時代錯誤的世界観を引きずった人は改めなければならない。

中国の強権は留まるところを知らない。 行き過ぎた人気取りに奔走する資本主義と、そのよいところを取り入れた共産主義。 どちらが勝つかは言うまでもない。 いつまでも米国の子分を演じることが得策なのか?

切羽詰まったトランプ大統領が、ロケットマンにならないことを祈る。

広大な展示会場の1区画。これが18区画ある

広大な展示会場の1区画。これが18区画ある

人、人、人

人、人、人

平成30年06月14日

発展が続く中国圏

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