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2007/04/20 「省エネ誘蛾灯を手作り 発光ダイオード応用」(日本農業新聞)

省エネ誘蛾灯を手作り
香川県三豊市の桃園に設置

【かがわ】香川県三豊市財田町の野口精志さん(51)は、桃の園地に紫外線を出すタイプの発光ダイオード(LED)を使った誘蛾(ゆうが)灯を1基設置した。紫外線で桃の害虫を引き寄せて捕殺。捕殺した害虫の種類や数で、薬剤散布の適正時期を探る予察に利用する。

予察や防除へ威力

発光ダイオード応用紫外線の波長は約370ナノメートル。省電力で耐久性に優れた、LEDを光源にした。LEDチップを3個並列に置き、かすかな発光で虫を誘う。発光体の下に置いた30センチ四方の受け皿に水を張り、近づいた虫を捕まえる。電源は自動車用の12ボトルバッテリーを使った。
誘蛾灯を組み立てたのは、同町の佐藤秀輝さん(47)。LEDチップは徳島県鳴門市のナイトライド社から取り寄せたが、配線などはすべて手作りだ。費用はLEDチップが1個300円ほどで、配線を含め1000円程度と、低コストで仕上がった。誘蛾灯は農業後継者クラブ仲間の野口さんに、害虫予察用として提供した。
佐藤さんは「虫は370ナノメートル程度の紫外線に反応する。虫は10万分の1ルクスの明るさがあれば寄ってくる」という。LEDが発する光は、ろうそくより暗く、人間には白く見える。誘蛾灯が園地以外の虫をおびき寄せないため、反射板を付け光が拡散しない工夫をしている。
野口さんによると、昨年8月に佐藤さんの試作品を設置したが、時期が遅く予察にはつながらなかったという。だが、害虫を多く捕殺できたのが確認できた。野口さんは「予察より防除の効果が期待できる」とみており、今年の効果によっては設置数を増やし、薬剤を減らしたいと考えている。

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