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ナイトライド・ニュース

2007/8/1 「特別インタビュー」(半導体産業新聞)

ナイトライド・セミコンダクター(株)代表取締役 村本宜彦氏

紫外線LED量産を世界で最初に果たしたナイトライド・セミコンダクター(株)(鳴門市)は、パイオニアとしてデバイスの改良と製品展開、さらに紫外線LEDの可能性を開拓している。同社の村本宜彦代表取締役に話を伺った。
-黒字化を達成されましたが。
ナイトライド社長 村本宜彦氏村本 徳島大学酒井士郎教授の技術の事業化を図り2000年4月に創業、世界初の紫外線LEDの量産技術を確立し、出力向上と製品開発に取り組み、第七期目にして初めて経常利益を計上できた。水銀ランプの代替として紙幣識別機用や樹脂硬化用のLEDランプ、光触媒や空気清浄機向けへの新規提案、イルミネーション用途の新製品といった事業活動が実りつつある。
-製品ラインアップについて。
村本 GaNウエハーから波長355nm、360、365、370、375の各紫外線LEDのウエハー、ベアチップ、ランプを用意し、さらにランプを複数搭載した高出力モジュールをこの4月から発売した。これは、樹脂硬化を主な用途に想定、波長375nmのチップを27個搭載しており、好調なスタートを切った。また、大面積チップを多実装したさらに高出力のモジュールを開発中である。また、紙幣識別機用としてSMDタイプを新たに開発、3月から発売した。
-水銀ランプの代替や新たな用途を提案しているわけですね。
村本 紫外線LEDは、水銀ランプに比べ、長寿命、省電力、光量の安定性や温度制御性で優れている。紫外線樹脂硬化は、塗料・印刷インキ、PCBからさらに用途が拡大しており、大きな市場が控えている。
紙幣識別機用は、円は磁気で識別するため対象とならず、蛍光塗料を含むドル、元、ユーロなどすべて海外市場向けである。
後進国も紫外線で識別する紙幣であり、経済発展と共に識別機の設置台数の増加が見込める。今後環境意識の高まりから、産業分野においても水銀全廃という流れは確実であり、水銀レスの紫外線光源の早期普及が期待される。

紫外線LEDはランプ代替からディスプレーや照明へ

-空間演出照明用デバイスはいかがですか。
村本 06年夏に「ライムライト」として発売、紫外線の可能性を開拓した製品のひとつで、蛍光アクリルを用いて色調は無限、発光させる形状もアクリルの加工で自由に変えられる。全面発光のネームプレートから、アクリル製熱帯魚を水中で発光させることもできる。
上場目標と研究開発を加速ただ、紫外線LEDはこうしたイルミネーション用途にとどまらず、室内照明用途の可能性が高まっており、ディスプレー用光源として研究する大学と提携もしている。
-照明やディスプレー用光源ですか。
村本 青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせた白色LEDが照明に使われ始めているが、赤みが多く温かみのある白色を実現するには、紫外線LEDとRGBの蛍光体の組み合わせが最有力と考えている。
英国の大学が、PDAやゲーム機などのマイクロディスプレー用光源として紫外線LEDの研究を始めている。
-事業展望について。
村本 本社工場は、月産300万チップの能力で当面の対応を可能と見ており、後工程は、韓国の非常に高いプロセスおよびパッケージ技術を持つ企業と行っている。
短波長化が進むにつれ、GaNが光を吸収するなど出力低減の要因が生じるが、我々は様々な技術を投入し、375nmで10mW、365nmで5mWといずれも量産では世界最高出力を記録しており、さらなる効率向上に取り組む。
10億円以上の研究開発費を調達するため、上場を目指したい。VCから調達する方法もあるが、開発資金を必要とする企業に一般投資家が将来性にかけて投資し、企業はその期待に応えるという、本来の株式上場の姿を示してみたいという思いがある。

(聞き手・倉知良次記者)

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