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ナイトライド・ニュース

2007/8/21 「紫外線LED量産へ」(日経産業新聞)

紫外線発光ダイオード(LED)の製造・販売を手がける半導体ベンチャーのナイトライド・セミコンダクター(徳島県鳴門市)の業績が軌道に乗り始めた。2000年の会社設立で07年3月期に初の営業黒字を計上。「10年度に累積赤字を一掃できる見込み」(村本宜彦社長)というところまでこぎつけた。
その根拠は従来は少量の出荷にとどまっていた同社製紫外線LEDの量産が今年後半から立ち上がるからだ。量産が始まるのは、紙幣識別装置メーカーと共同で開発した専用の紫外線LED光源。紫外線光源は偽造紙幣を識別するために使うが、装置の小型化が期待でき、従来の紫外線ランプの置き換えが進むもよう。紙幣識別機以外でも紫外線ランプを置き換える市場として、紫外線硬化樹脂応用機器、光触媒空気清浄装置、診断装置などへの搭載も検討されている。

紫外線LED量産へ

量産にこぎ着けるまでに足かけ8年もかかったのは、紫外線LEDの製品化では技術的課題が多く、設立当初からその課題克服に取り組んでいたため。
ナイトライド・セミコンダクターの業績紙幣識別装置を小型に紫外線LEDは青色LEDと同様に、窒化物半導体結晶の薄膜を積層しながら効率よく発光させる構造を構築する。青色LEDの発光層はインジウム(In)、ガリウム(Ga)、窒素(N)から成る化合物。紫外線LEDはそれにアルミニウム(Al)が加わる。発光層が複雑になり、積層する薄膜構造も新たに開発する必要がある。これが青色LEDに比べて製品化が出遅れていた理由だ。
ナイトライド社は、窒化物半導体結晶を研究している徳島大学の酒井士郎教授を技術顧問に招いた。(設立当初、現在は同社取締役)。酒井教授が設計した有機金属化学気相成長法(MOCVD)方式の結晶成長装置を社内で自作し組み立てるところからまず始めた。ナイトライド社はこのMOCVD装置を使って徳島大学との共同研究をすすめ、紫外線LEDの製品化にメドをつけた。
出力は02年に登場した最初の製品が0.5ミリワットと発光が弱かった。それが現在の製品は9.5ミリワットに高まっている。
ナイトライド社は、研究開発に使用したMOCVD装置を量産に使い、自社工場内でサファイア基板上に紫外線LED用窒化物半導体結晶を成長させる。その後の工程(電極を埋め込み基板からチップを切り出す工程、チップをパッケージに封止する工程など)は、外部の半導体メーカーに委託し、大規模な設備投資を抑えている。ただし、製品出荷前の検査は自前で全量検査を実施し、小兵ながら品質に最終責任をもつ。
ナイトライド社は、開発が難しいといわれた紫外線LEDでの事業化にメドをつけたが、ユニークなのはそれだけではない。いわゆる大学発ベンチャーであることと、半導体ベンチャーでありながら自社工場を持っている、という点だ。
電機メーカーからの独立組や、大学発企業などで半導体ベンチャーは日本全国に広がっているが、事業が軌道に乗っているのはわずか。ナイトライドはようやく水面上に顔をちょっと出しただけだが、四国企業の小さな成功体験は半導体業界におけるビジネスモデルとして参考になる。

(神保進一)

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