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バッファー層を改良
UV-LEDは、発光波長が375nmを下回ると急激に効率を失う性質がある。同社製品の場合、波長375nmの樹脂砲弾型タイプでは出力が27mW(20mA)であるが、波長365nmでは4mW(20mA)と約7分の1に低下する。これはサファイアウエハー上にバッファー層として挿入する窒化ガリウム(GaN)層が、波長375nm以下のUV光を吸収してしまうことに加え、短波長化するためにアルミニウムの含有量を増やす必要があり、結晶性が悪化することが原因。そのため、波長375nm以下の高効率品は、結晶成長後の結晶加工工程において、エキシマレーザーでサファイアウエハーとGaN層を取り除くことで高効率化を図っているが、手間がかかりコスト増の要因となっている。
今回開発した技術は、サファイアに凸凹の加工を施したPSS(Patterned Sapphire Substrate)上に、バッファー層としてGaNではなく、窒化アルミニウムを積層。さらにその上に窒化アルミニウムガリウム層を積層することで、UV光を吸収する層をなくし、かつ結晶性を高めた。
これらの工程は、結晶成長時に行われるため、従来品のように結晶加工工程で、複雑かつ難易度の高い加工をする必要がなくなり、高い歩留まりと大幅な低コスト化を図ることが可能となる。また、従来は面積の小さい350µm角チップへの加工は困難であったが、同技術は小さな面積のUV-LEDチップにも応用できる。