ナイトライド・ニュース
半導体ベンチャーのナイトライド・セミコンダクター(鳴門市 村本宜彦社長)は光の波長が365ナノ(ナノは10億分の1)メートルの紫外線発光ダイオード(LED)を開発、サンプル出荷を始めた。樹脂の接着(硬化)効果を引き出す光源として広く工業利用されている水銀ランプの代替品になるという。長寿命の点などを訴えて拡販を目指す。
サンプル出荷を始めた紫外線LEDは20ミリアンペアの電流を流すと、紫外線領域の365ナノメートルの波長の光を発する。同波長領域は、微細な電子部品の組み立てなどに幅広く使われている樹脂製の光硬化型接着剤が反応する領域になる。
現在、その光源としては水銀ランプが利用されているが、現時点で1ミリワットの光の出力を出せているので代替品として今後対抗していくことは可能という。同社では「寿命が長く、廃棄処分する際の環境負荷が小さい」点なども強調して、幅広い市場開拓を急ぎたい考え。サンプル出荷価格は1個2千円程度。鳴門市の本社工場で生産する。
2000年4月に半導体ベンチャーとしてスタートした同社は、今春に高付加価値品の紫外線LEDを中心とした経営戦略を前面に打ち出し、品揃えを順次増やしてきている。来年1月から先行して量産出荷するのは紙幣識別装置の光源などに使われる光の波長が370ナノメートルの製品で、出力が2ミリワットまでの4タイプをそろえている。
水銀ランプの代替を狙って投入する365ナノメートルタイプはそれに続く製品で、サンプル出荷の後、来春までには量産体制に入りたい意向だ。