紫外線と聞いて最初に連想するのは、日焼けですが、紫外線LEDの発する375nm近辺の波長(UV-Aの範囲)では一般的な意味での日焼けの現象はほとんどおきません。しかし太陽光の中には、波長280nm~315nm(UV-B)の範囲の紫外線が太陽光全体の0.5%程度含まれており、これらの短波長の紫外線が、いわゆる日焼けの原因となります。さらには地球温暖化やハロン系物質によりオゾン層が破壊されると波長200nm~315nm(UV-C)の範囲の紫外線が地表に到達します。この範囲の波長の光は強い殺菌作用があり、生体に対する破壊性が強くなります。
下のグラフは弊社製品で最も出力の小さな波長375nmの紫外線LED(NS375L-5RLO)の照度と、日中の太陽光に含まれる365nm近辺の紫外線の照度を比較する目的で作成したものです。5月の晴れの日に人々が太陽から浴びる紫外線は、3cmの至近距離からこのLEDで照射した照度とほぼ同等です。波長375nm等の紫外線LEDはUV-B領域の紫外線をふくまないことから、紫外線が人間の皮膚に及ぼす影響については屋外で太陽にさらされるほうがはるかに影響が大きいと理解できます。
目に与える影響については、実際には機器の中に組み込まれて使用されるか、蛍光体によって可視光の波長に変換して利用しますので、紫外線LEDの光を直視することはあまりありません。仮に一瞬直視したとしても目に与える影響は比較的軽微といえましょう。
ただ、1個で低出力の紫外線LEDであっても100個であればかなりの出力であり、最近では1個で光出力が大きなハイパワータイプの紫外線LEDが販売されておりますので、このような光源を直視すると波長375nmの紫外線LEDといえども目を痛めます。作業上やむなく直視する場合は必ず紫外線をカットする保護メガネを着用してください。