ナイトライド・ニュース
りそな中小企業振興財団と日刊工業新聞社の共催による「第23回中小企業優秀新技術・新製品賞」の入賞作品が、審査委員会(吉川弘之委員長=科学技術振興機構研究開発戦略センター長)の審議で決まりました。
中小企業庁長官賞はナイトライド・セミコンダクター(徳島県鳴門市)の「紫外線発光ダイオードによる太陽光に近いRGB方式白色LED」が受賞しました。
入賞作品は一般部門、ソフトウェア部門を合わせて39件です。
贈賞式は5月11日10時半から東京・飯田橋のホテルグランドパレスで行ないます。
りそな中小企業振興財団と日刊工業新聞が共催する「第23回中小企業優秀新技術・新製品賞」は過去最高となる応募総数537件を集め、中小企業庁長官賞1件、審査委員会特別賞1件、優秀賞14件、優良賞11件、奨励賞12件の合計39件が入賞した。
内訳は一般部門が応募416件で中小企業庁長官賞1件、審査委員会特別賞1件、優秀賞10件、優良賞8件、奨励賞10件の計30件。ソフト部門が応募121件で優秀賞4件、優良賞3件、奨励賞2件の計8件だった。
紫外線発光ダイオード(UV-LED)とRGB蛍光体と組み合わせることにより、高効率・高演色性を実現した白色LED。現在、LED照明として主流の白色LEDは、青色LEDと黄色蛍光体(YAG)を組み合わせた擬似白色であり、赤色成分を補うために、赤色の蛍光体を加えるなどの工夫が取り入れられている。
しかし太陽光を基準にした色成分を表す演色性の数値(Ra)は80程度に留まるのに対して、RGB方式白色LEDはRa95以上と太陽光に近い白色光を実現。そのうえ、消費電力1ワットで80ルーメン以上の明るさで色のバラつきも抑えた。
また、液晶テレビのバックライトとして使用した場合、NTSC比100%と高い色再現性も実現できる。
UV-LEDは有機金属気相成長法(MOCVD法)による結晶成長技術をコアテクノロジーとし、発光層にアルミニウム・インジウム・ガリウム・窒素の四元混晶を用い、インジウム組成揺らぎの増大、転位密度の低減、窒化ガリウムによる紫外線吸収の低減などを達成。これにより波長375ナノメートルで40%、波長400ナノメートルで53%以上の外部量子効率を実現した。
紫外線は殺菌から照明まで幅広く応用され、産業用としては、紙幣識別などのセンサー用光源、UV樹脂およびUVインク硬化用光源、殺菌・空気清浄機用光源などに使用されている。
紫外線ランプは効率が低く、環境汚染物質の水銀を含むといったデメリットがあるが、UV-LEDに置き換えることで、省エネ、長寿命、機能向上に加え、環境にも優しい紫外線光源を実現できる。
高効率のUV-LEDにRGB蛍光体を組み合わせたUV-RGB白色LED
高出力UV-LED表面実装部品