ナイトライド・ニュース
1.背景
マイクロLEDディスプレーは、液晶及び有機ELディスプレーの次世代のディスプレーとして、米国アップル社他、各国企業が開発に力を入れていますが、これらの企業が取り組む、赤、青、緑のマイクロLEDチップを応用する方式では、特に赤色のLEDチップの50µm以下の微細化が困難で、開発が遅れています。弊社のグループは、マイクロ紫外線(以下UV)LEDを使用して赤、青、緑色の蛍光体を励起する方式で、ディスプレー開発を進めており、実用化にあたって、マイクロUV-LEDチップのコスト削減が課題だった。
2.要旨
弊社は、他社に先駆けて波長385nmのマイクロUV-LEDチップの開発に取り組んで参りました。従来のマイクロUV-LEDのチップサイズは、16μm×48μmで、チップの間隔は横方向10μm縦方向30μmと広く、ウエハから獲れる数量が4インチウエハから約340万チップでした。今回、開発のマイクロUV-LEDチップは、チップサイズが12μm×24μmで、チップ間隔は縦・横方向共5μmとなり、4インチウエハから獲得できるチップ数は、約1400万チップと約4倍になり、1チップ当りのコストが従来チップの4分の1となりました。また、電気特性的にも、良好な電気特性を確認し、近い将来の実用化に向けて大きく前進しました。25mm角サイズのディスプレーを作製する場合、30万個のマイクロLEDチップが必要ですが、1枚のウエハから11枚のマイクロLEDディスプレーが作製できます。(全てのチップはICドライバーで制御されてフルカラー画面を表示)
補足:食用小麦粉の粒径は10μm~100µmなので細かい粉のサイズに近い。
チップサイズ12μm×24μm、チップ間隔5μm
マイクロUV-LEDチップの発光の様子(IF:100μA、VF:3.58V)
良好なI-V特性