Chapter 132
残暑は厳しいが、政治の世界は寒い。 人気取り政策で実際に人気を得ることの難しさを、各国トップは、ひしひしと感じているだろう。 さて、夏を彩る日本3大祭りの一つと言えば徳島の阿波踊りだが、今年は、暑い夏を一層蒸し暑くすることになった。
まさか、100万人以上の人出がある阿波踊りの開催が、赤字になっていたとは、一体、どこにお金が行ったのか? 素晴らしい踊りで観客を魅了する踊り子やリズムを奏でる鳴り物と呼ばれる奏者は、この4日間のために毎日練習を積み重ねる。 その練習場にしても、夕方、人気がなくなった公園の一角や、企業のご厚意に甘えて、軒先を借りるといった涙ぐましい努力がある。 踊り子達は、本番でさえ、日当がもらえる訳でもなく、むしろ、交通費、衣装費、その他、出費は嵩む。 阿波踊りが感動的なのは、一糸乱れぬ踊りもさることながら、無心に踊る姿、純粋な心が観客の心を打つのだろう。 ある種、アスリートに共通する清々しさがある。 それを、主催団体のゴタゴタで、イメージを傷付けた責任は重い。
一般的に、団体の経営を実際に担った経験者はそれほど多くない。 特に、大企業の場合、ずっと専門分野を手掛けてきて、経営の何たるかも分からず、いきなり経営者になる場合もある。 そして、任期を務めた後、バトンタッチ。 日本に本物の経営者が少ないと言われる所以だ。 弊社でも大企業子会社の社長や、役員経験者を数名雇ったことがあるが、彼らが経営者の資質を持っていいたかは疑問である。 精々、組織をまとめることしかできない。 経営というのは、実現可能な、進路を示し、ある程度のリスクを容認しながら、困難を乗り越えながら、安全に目的地にたどり着く、所謂、船長の役割である。 企業の経営には、ある種の予知能力が必要だが、阿波踊りの団体で言えば、改革の目的は勘定の帳尻を合わせること。 従って、どこが無駄で、どこに投資すれば収入が増えるかという判断ができれば改革できる。 方向性(進路)は間違っていないので、後援者等とうまいバランスを取りながら、落としどころを見極めて欲しい。
弊社は、昨年来、LEDピュアというブランドを立ち上げ、UV-LEDのアプリケーションの新たな展開を図ってきたが、だいぶ軌道に乗って来た。 家電分野には、以前触れた通り、誇大広告、景品表示法違反と言えるような製品が溢れている。 存在感を高めているダイソンの製品は、革新的ローテクの塊である。 広告自体もハイテクを謳っていないが、デザインとイメージが革新的というマーケティング戦略の勝利である。
弊社は、この分野に、最先端光半導体技術による革新的ハイテクを持ち込んで圧倒的な殺菌・消臭、捕虫といった性能を実現しつつある。 デザインは、どちらかというと地味だが、インフルエンザウイルスの高い殺菌性能も、国立病院機構仙台医療センター、ウイルスセンターで実証した。
フェイクニュース洪水の中、無心が共感を呼び、製品の確かな性能が生き残りの鍵になると確信する。
平成30年08月24日
阿波踊りに思うこと