Chapter 149
明けましておめでとうございます。
2020年の幕開けです。 今年は東京オリンピック・パラリンピックもあって、何やらワクワクします。 また、米国大統領選挙もあり、景気という意味では、悪く成りようがありませんが、長期的には、ポピュリズム政策、自然災害、イラン、北朝鮮問題等々、暗い話題が山積しています。 とは言え、経済学者ガルブレイス著の「不確実性の時代」の出版が77年ですから、40年以上も不確実だけれども好景気の時代が続いているということになります。
さて、今季は暖冬なので、必要性は低かったのですが、興味本位もあって、中国製のスタッドレスタイヤに履き替えてみました。 値段は、日本製の半分以下。 しかし、上位ブランドなので、悪い筈はないという確信がありました。 見込みは的中、ドタバタにならず、スタッドレスにも関わらず、サマータイヤに迫る静粛性と乗り心地。 近年、中国製品の性能、品質向上は、スマホを見れば明らかですが、安くて高性能という韓国製品のお株を完全に奪っています。 それが、今や、特定のカテゴリーに限られたことではなく、全ての分野で中国製が世界を席巻しようとしています。
このような経済力学の中で、米国にトランプ政権が誕生したのも必然、80年代の日米自動車、半導体摩擦と同じロジック。 イランとの確執も、78年のイラン革命を思い出させます。 米国の2018年のGDPは20兆ドル、中国は12兆ドルと、まだ開きがあるものの、人口が3億3千万人に満たない米国を、14億人近い中国が追い抜くのも時間の問題。 情報通信分野で中国に覇権を握られると、国防が危うくなるという議論は、自動車や半導体より切実で、説得力があります。 今も昔も、戦争で重要なのは、情報であり、太平洋戦争中のレーダー技術のような位置付け。 ちなみに、バッシングを受け、失われた30年後も日本のGDPは、5兆ドルで堂々の銅メダル。 人口1億3千万人足らずの日本が、未だに3位のポジションを維持していることに驚きさえ感じますが、このまま維持できるかは少子化のため黄信号が点っています。 国民一人当たりのGDPで見ると、米国9位、中国72位、日本26位となり、日本は順位をじりじり下げていますが、ノーベル賞の受賞歴を見れば、未だその影響力の大きさは侮れないものがあります。
当初、トランプ大統領の発する政策に違和感を覚えましたが、慣れもあって、それはそれで米国流と感じ始めています。 ピックアップトラックのような大統領が就任して、コメディアン的わかり易さを狙っているのだなと。 メキシコ国境に壁を建設するという明快なメッセージは伝わった気がします。 思い通り行かなくなると、最後は、力でねじ伏せようとするのもトランプ流というか米国流。
世界経済、そして軍事力バランスに大きな変化が生じている中、日本は、米国に盲目的に追従するのではなく、正義と公平の観点から、世界に向けて、言うべきことははっきり発言する国になるべきと思います。
新年早々、言いたい放題ですが、本年も宜しくお願い申し上げます。
2020年 元旦
東京オリンピック・パラリンピック イヤーに思うこと