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ナイトライド・ストーリー

Chapter 86

ブラジルW杯サッカー、ザックジャパンの戦いは終わった。「よくやった」などという慰めは要らないだろう。むしろ、「何やってんだ、ヘタクソ!」という厳しい言葉の方が選手達も気が楽だろう。

敗因としては選手よりも監督にあるように思う。普通に戦い過ぎたか?「最強メンバー」という誰が言い出したのか勘違いフレーズが日本の戦い方を狂わせた感もある。どう贔屓目に見ても、身体能力(技術力も?)で劣る日本が勝つには無策に見えた。勝って当然の筈の初戦コートジボワールの選手の体型を見ただけでも「おいおい」と心配した。アフリカ大地を駆け抜けるカモシカのような敵が身体能力で上回っていたのは明らかだった。当然、そういう相手と戦うためにあらゆる分析は行ったと思われるが、戦い方を見る限りあまりにも無策だったように見えた。ザッケローニ監督の「いつも通りの戦いができなかった」という敗戦コメントも無策を表している。じゃあ、いつも通りの調子だったら勝てたのか?

シュートを外しまくるコートジボワールに対して打たれても安心という勘違いが生まれた。決定的なチャンスを何度も与えてしまっていることを反省せず修正さえしなかった。結果、ラッキーはいつまでも続かなかった。


こういうことはやっている本人達にはわからないことが多い。客観的に駄目だと監督にアドバイスできる戦術顧問がしっかりしていなければならない。いつもと何が違い何を修正すべきかを迅速に説得力を持って説明できる参謀役が重要だ。また、そうなった場合の事前準備ができていなければ選手は混乱する。選手交代が反転攻勢に繋がらなかったのは、ミッドウェー海戦同様、不意を突かれて場当たり的に交代しただけという証拠。

ロンドン五輪のところでも触れたが、金メダル候補はリスクを取り難いので金を逃す確率は高まる。日本サッカーは金メダル候補でも何でもないのだから、リスクを取り易いにも関わらずリスクを取りに行かなかった。南アフリカW杯岡田ジャパンがW杯前にボロクソに非難されてベスト16に進んだのと対照的である。岡田ジャパンは選手の走る距離を重視した。相手より長く走れているか?また、W杯前に休暇を長くとって休養させている。後に監督は勇気が要ったと述懐している。そして、韓国との交流戦での敗戦を契機に攻撃から守備重視に選手起用と戦術を転換している。これらのリスクを冒すことは非難が酷くなる可能性はあるが、どの道勝つ以外は非難を受けるのだから腹をくくらねばならない。


ということで敢えて、「日本サッカー、ヘタクソ!とっとと辞めちまえ」と言わしてもらう。2020年の東京五輪を成功させるためには、現状よりも悲観的に現実を受け止める姿勢が重要と思う。自分たちがうまいと勘違いした瞬間から進化が止まる。

それはスポーツに限ったことではなく、UV-LED開発でも同じ。遂にここまで来たかなどと感慨に耽るようになったら会社は畳んだ方がいい。また、日本全体で見れば、TPP等、明らかにリスクを取る勇気を失っているように感じる。日本はデフォルトした方がベンチャースピリットが旺盛になるかも?

平成26年06月27日

他人の振り見て我が振り直せ!

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