ナイトライド・ニュース
急成長が見込まれる窒化ガリウム系ウエハーなどの量産を目指す徳島県の産学協同ベンチャー、ナイトライド・セミコンダクター(鳴門市、村本宜彦社長)は1月末から韓国の半導体ベンチャー向けに初めて青色発光ダイオード(LED)用のウエハーを量産出荷する。最低でも月間100枚のペースを計画しており、今夏を目標にしている株式公開に向けて収益基盤の確立を急ぎたい考えだ。
量産拠点は鳴門市瀬戸町の「鳴門複合産業団地」にある同社の本社工場で、出荷先は韓国の半導体ベンチャー、イッツウエル。サファイア基板を使った直径2インチのウエハーの形で供給する予定で、一枚のウエハーから一万個以上のチップが確保できるという。
1月末から取りあえず月間100枚ペースで量産出荷する計画で、現在それに備えて本社工場で最終調整を急いでいる。同社は昨年12月に5億円規模の第三者割当増資を実施し、公開資金の調達と財務体質の強化を図っており、韓国向けのウエハー出荷開始により本格的な事業体制が整う。
ナイトライドの設立は2000年4月。次世代の紫色半導体レーザーに適した半導体材料などとして注目される窒化ガリウム系ウエハーの量産技術を開発した徳島大学の酒井士郎教授を技術アドバイザーに迎え、徳島県の経済界などが後押しする形で発足した。
窒化ガリウム系ウエハーのほか、微量化学物質の検知用光源など幅広い分野への応用が見込まれている紫外線LEDも独自開発。次の目標として同LEDの量産を視野に入れている。