ナイトライド・ニュース
半導体ベンチャーのナイトライド・セミコンダクター(徳島県鳴門市、村本宜彦社長)は、電子機器商社、ガデリウス(東京・港、ハンス・ポラート社長)と販売提携し、紫外線発光ダイオード(LED)を欧州で拡販する。従来はテスト出荷にとどまっていたが、量産体制が整ったため、米国を含めた海外販売の強化で2004年度中の上場を目指す。
提携の内容は欧州での独占販売契約で、ガデリウスは光の波長が365ナノ(ナノは10億分の1)メートルと370ナノメートル、375ナノメートルの3種類の製品をスウェーデンにある欧州法人を通じ、2004年1月に発売する。
365ナノメートル製品は光で高分子同士の結びつきが強くなる硬化樹脂、370ナノメートルは紫外線で紙幣を識別する装置、375ナノメートルは汚れや空気を浄化する光触媒などに向く。組み込む製品は家電分野ではエアコンや空気清浄機、冷蔵庫などを想定している。
ナイトライド社は昨年5月に370ナノメートル製品、同11月に365ナノメートル製品を相次いでサンプル出荷。今年4月には12個のLEDチップを搭載し、出力を従来の10~20倍に高めたデバイスも開発したうえで、量産体制を整えた。
今回、ガデリウスと提携したことで、2004年度に欧州だけで1億円、国内と米国を合わせた全体では10億円の売り上げを目指す。
同社の紫外線LEDは日亜化学工業(徳島県阿南市)や豊田合成など他のLED大手の主力製品に比べ、光の波長が短くエネルギーが高いのが特徴。樹脂硬化に現在使われている紫外線ランプに比べ消費電力や発熱量は約10分の1、機構の大きさは20分の1以下、電源を入れてから発光するまでの待機時間もほとんどないなど利点がある。