ナイトライド・ニュース
ナイトライド・セミコンダクター(徳島県鳴門市、村本宜彦社長、088・688・7750)は、光の波長が370ナノメートル(1ナノは10億分の1)以下という紫外線発光ダイオード(LED)のペアチップを、世界のトップを切って8月から量産する。価格は1個50円。紫外線LEDを開発したのは、同社と日亜化学工業(徳島県阿南市、小川英治社長)だけ。青色LEDよりも100ナノメートル波長が短く、白色発光に使えるため次世代照明材料として有望視されている。初年度5億円を見込む。
ナイトライド・セミコンダクターの紫外線LEDは、酒井士郎徳島大学工学部教授が開発した窒化ガリウム半導体をベースにつくった。ユーザーによるサンプル評価を得て量産に乗り出す。
紫外線LEDは、照明器具に応用すれば、小型で待機時間が短い特性がある。
量産するのは波長が365ナノメートル、370ナノメートル、375ナノメートルの3種類。青色LEDと同じ窒化ガリウムを原料にしているが、インジウムやアルミニウムを加えており、ウエハー構造は異なる。
鳴門工場(徳島県鳴門市)で量産し、当面、紙幣の識別装置や樹脂硬化装置、光触媒と組み合わせた空気清浄機を用途として見込んでいる。また白色発光が可能なため、従来の蛍光灯に代わる照明用市場を開拓する。すでに同社のチップを使った照明器具の試作品も完成しているという。
ナイトライドは00年4月に立ち上げた徳島大学との産学協同ベンチャー。米国の投資ファンドであるカーライルグループが日本で初めて投資した。05年3月に株式上場を目指している。