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ナイトライド・ニュース

「2009/6/11 勝つ-中小企業のものがたり- ナイトライド・セミコンダクター4(日刊工業新聞)

ナイトライド・セミコンダクター4 勝つ 中小企業のものがたり 窒化ガリウム半導体の開発からスタートし、紫外線(UV)-発光ダイオード(LED)を開発、UV-LED応用製品発売までの試作期間は赤字、社員の大量離脱などという紆余曲折を経て、09年3月期に大幅黒字転換を果たしたナイトライド・セミコンダクター。
現在の社員数は10人。「野球は9人。サッカーは11人。チームとして、この人数はまとまりやすい」。社長の村本宜彦は、少数精鋭の社員たちを見守っている。
大局観
かつて研究者たちと意見が衝突し、約半数の退職者を出した出来事は、村本にも反省点を残した。経営者としての正論で突っ走ったつもりだったが、周りを冷静に見る大局観、社員との意識共有で欠けていた部分もあった。
結束力を強める少数精鋭の「ナイトライド軍団」(前列左から3人目が村本社長)何よりチームとしての団結力がなければ、企業が前に進まないことを身をもって知った。村本は「二度と同じ過ちを繰り返さない」と誓う。そのため今では、結束力を強めるために、「エイエイオーの掛け声とともに」社員の集合社員撮影を年末の恒例行事としている。
特殊光源・応用品で差別化

本物の白色LED
少数精鋭、きめ細かい開発企業として一段上に飛躍するために、UV-LEDを用いた白色LED照明の実現を目指す。現在の青色LEDと黄色の蛍光体を組み合わせた白色LEDは疑似白色にすぎない。UV-LEDとRGB蛍光体を組み合わせれば本物の白色ができ、LED照明の色を自在にコントロールすることが可能になる。
現状のUV-LEDは携帯電話や液晶テレビのバックライト用途には十分だが、照明用としては出力が不足している。バックライト用途で量産しながら、照明用の高出力白色LEDの開発を今後1年以内に行う方針だ。
UV-LED市場で唯一競合するのは日亜化学工業(徳島県阿南市)。青色LEDで名をはせたメーカーだけに強力なライバルだが、ナイトライドも決してひけをとっていない。UV-LEDランプのみを供給する日亜化学に対し、ナイトライドはランプ単品だけではなく、特殊光源や各種応用製品を開発し差別化を図っている。用途に合わせるきめ細かい開発で、小規模の強みを生かしている。
創業のチャンス
徳島ニュービジネス協議会の初代事務局長として、ベンチャー企業の立ち上げを支援していた村本が、自らベンチャー企業を立ち上げた。両方の立場を経験してきたからこそ「もっとベンチャーが出てきて欲しい。チャンスは間違いなくある」と願う。
「モノづくりは本来、日本が最も力を入れないといけない分野」と、原点回帰の必要性を訴える。「ナイトライドが“製造業ベンチャー”として成功することによって後に製造業ベンチャーブームが巻き起こせる」と話す村本のまなざしには、一点の曇りもない。(敬称略)

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