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ナイトライド・ニュース

「2010/7/14 RGB白色LEDを開発」(半導体産業新聞)

新製品・市場動向1 インタビュー ナイトライド・セミコンダクター(株)代表取締役社長 村本宜彦氏 ナイトライド・セミコンダクター(株)(徳島県鳴門市瀬戸町明神字板屋島115-7 TEL 088-683-7750)は、世界で初めて紫外線LEDの量産化技術を確立した産学連携ベンチャー。2010年4月に創立10周年を迎えた。村本宜彦社長に話を聞いた。

―業績の動向を。
村本 09年度は08年度に続いて増収増益を達成した。紙幣識別機用を中心に、全般的に需要が伸びた。10年度はさらなる売り上げ、利益の増加を見込んでおり、3年連続で増収増益を達成できる見通しだ。
―用途別の展開は。
村本 紫外線LEDを用いた紙幣識別機は、欧米、中国で需要が伸びている。当社は国内の大手紙幣識別機メーカーほぼすべてに納入しており、売り上げにも大きな比率を占める。また、電子部品やネイルなどの樹脂硬化用途にも採用が増えている。このほかに光触媒による空気清浄機へも応用され、採用が始まっている。
新たな用途としては、UVインクの硬化が挙げられる。UVインクは図鑑、美術書などに用いられており、耐候性に優れ劣化しにくいのが特徴。ただこれまでは硬化用に大きな紫外線ランプを用いていたため、家庭用プリンターでは使われていなかった。紫外線LEDは小型で低消費電力のため、一般家庭などでもUVインクを使用することが可能になる。
3年連続の増収増益へ RGB白色LEDを開発 ―RGB方式の白色LEDを開発した。
村本 紫外線LEDで赤、緑、青の3色の蛍光体を励起し、白色を再現している。約3年間をかけて開発したもので、当社の半導体と東芝マテリアル(株)の蛍光体技術の組み合わせで実現し、液晶のバックライトや照明用に優れた特性を有する。現在これらの用途に使われている青色ベースの白色LEDを凌駕できる、非常に画期的な製品だ。
青色ベースの白色LEDは演色性が低く、室内では人の肌が白っぽく不健康に見えてしまう。室内用LED照明ではそれを補うために赤色蛍光体を追加しているが、効率が低下する、LEDごとの色のばらつきが出る、といった欠点がある。紫外線白色LEDはRa90以上の高い演色性を持ち、蛍光灯とほぼ同様の光を再現できる。
液晶バックライトとしては、赤、青、緑色のLEDを用いた3LED方式と、青色LEDをベースに黄色蛍光体を加えた方式がある。青色LEDベース方式は色再現性が低く、青色LEDと黄色蛍光体の色分離が起こるという欠点がある。3LED方式は、色再現性は高いがLEDを個別にICドライバーで制御する必要があるため、コストが高く各LEDの温度変化や経年劣化速度の差によって色のバラつきが生じてしまう。紫外線白色LEDは蛍光体そのものが白色を発光するので、色分離を起こさない。さらにNTSC100%と、高い色再現性を達成している。
現状青色ベース白色LEDに比べて製造コストが高く効率が劣ることが短所だが、コストは今後量産を進めれば低減可能で、効率は約60ルーメン/Wと実用面で遜色ないレベルを実現できていると考えている。
10年夏ごろからサンプル出荷開始を予定。5月に米シアトルで開催された「SID2010」で紹介し、大きな反響を得た。すでに国内外からサンプルの引き合いをいただいている。当初月産3000万個を目標とするが、メリットをPRして拡販を進めたい。
―創立10周年を迎えて。
村本 これまでの10年間は、紫外線LEDを創りあげる期間だったと考えている。10年間取り組んできて、独自技術の強みを実感している。不況の最中に好調を続けられているのは、景気の波に左右されない独自技術があったからだ。何もないところから立ち上がった市場だから着実な成長が見込めるし、他社とパイを奪い合うこともない。10年前に活況だった青色LED分野に参入していたら、しばらくは好調だったとしても今はどうなっていたか分からない。孤独な取り組みを続けてきたからこそ、培ってきた技術をベースにアプリケーションを拡大させることができる。当初の夢だった白色LEDを実現し、ようやくスタートラインに立った。これからの10年は、紫外線LEDを普及拡大させる期間になるだろう。

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