ナイトライド・ニュース
中小企業が円高に強い関心を寄せている。輸出に軸足を置く中小製造業への打撃は大きく、政府に円高対策を求める声も上がっている。海外と直接取引のない企業も、顧客の輸出産業からのコスト削減要求が一段と強まることを警戒する。ただ一部に「影響は限定的」という声や、円高メリットも出ている。中小企業の海外展開が進んでいることから、悲観論一色というわけでもなさそうだ。
紫外線(UV)発光ダイオード(LED)製品を手がけるナイトライド・セミコンダクター(徳島県鳴門市、村本宜彦社長、088-683-7750)は、売り上げの25%が海外との直接取引で最終ユーザーを含めると約半分を海外が占める。村本社長は「独自性が高く競合が限られるため、海外との直接取引では最小限の影響に留めているが、組み込んだ製品を輸出する国内の取引先からの値下げ要求が厳しくなっている」と話す。そのため製品の核となるウエハーは国内で製造し、後工程は海外へ委託するなどコスト削減を進めているが、それだけでは追いつかなくなっているという。
LED業界では韓国企業がウォン安を追い風に業績を大幅に伸ばし、価格競争では厳しいのが現状だ。「何が何でも円高を阻止するという強いメッセージをマーケットに訴え、強い日本経済の復活に全精力を傾けて欲しい」と、早急な打開策を求めている。