Chapter 125
新年明けましておめでとうございます。
欧州のブレグジット、米国のトランプ政権誕生と想定外の事が連発した一昨年に比べれば昨年はいくらか想定通り(悪い意味でも)だったので、不確実性は減ったと言えますが、明らかに不安定な方向へ世の中が進んでいるような気がします。
お正月番組で、散々報道されているので、敢えて具体的に述べるつもりはありませんが、人種、宗教、国、組織、企業、親族、家族といった各集団の中で、不和が表面化しつつあります。 そのきっかけとなったのは、インターネット上に溢れる膨大な情報です。 「知らぬが仏」とはよく言ったもので、知らない方が幸せなことも多くあります。 安いと思って歳末バーゲンで買ったカシミヤセーターが、インターネットで検索したら、他の店で更に安く売られていたと知れば、先ほど迄の幸せが嘘のように腹立たしく思えます。
じゃあ、調べなければいいということですが、あまりにも簡単に、しかもタダ(通信料以外)で検索できるところが、質が悪い。 結果、価格のネット検索は、購入前の必須事項となりました。
ハリウッド映画や人気海外TVドラマを見れば、そのほとんどのシナリオが、政府や企業の陰謀を、ヒーローが殺されかけながらも暴く設定になっています。 こんなありふれたシナリオが大衆受けすることを見れば、如何に大衆が、世の中を胡散(うさん)臭いと感じているかという表れと言えるのではないでしょうか。
今年もインフルエンザが大流行ですが、毎年、インフルエンザワクチンが足りないと報道されます。 このワクチンにしても、本当に効くかどうかの検証がなされているのでしょうか? 家族や部下は、予防接種を受けたにも関わらず、発症しました。 本人曰く「もう二度と接種しない」と。
この文章を読んで、そんなことは有り得ないと笑える人は幸せかもしれません。 きっと、そんな人はバーゲンで買ったものをネット検索しない人に違いないでしょう。
残念ながら、私は、親戚の家を訪問して、「臭い」と言ってしまう性格なので、ワクチンの予防接種は受けないし、NHK紅白歌合戦も見ません。
「知らぬが仏」という言葉には、そんなことも知らないのかという軽蔑的なニュアンスがあります。 情報が氾濫する時代に生き残るのは、真実を知らずに済ませる呑気な人か、とことん調べ捲くって正確な方向を導き出す人のどちらでしょう?
UV-LEDを活用して、本当に効くワクチンを開発したら、私の言っていることを理解してもらえる日が来るかもしれません。 (独)仙台医療センター ウイルスセンター長 西村秀一先生と力を合わせて新しい挑戦が始まります。
平成30年元日
偏屈の初夢