Chapter 160
米国大統領選の決着がついてから書こうと思っていたが、なかなか決まりそうもないので筆を執った。 4年に1回、オリンピックと同じ年に国を挙げて大騒ぎするイベントだが、今年は、オリンピックの分も、年明け迄、楽しめそうな状況になった。 老若男女を問わず、選挙権さえ持っていれば、参加資格があり、景気ということでは、これ以上の活性化策は見当たらない。 どちらが勝っても、一長一短あるので、私は、どっちを応援するということはないが、世界情勢を見れば、人口14億人以上、世界の工場として、経済的にも豊かになり、巨大な市場となった中国と、人口3億3千万人、頼みのハイテクにも陰りが見られる米国(西側諸国全般も含めて)の地位の低下という状況では、米国の半導体や製造装置の輸出禁止も、自分の首を絞めていることにしかならない。 米国の製品が中国の消費者に受け入れられなければ、経済は成り立たない。 今や製造だけでなく研究開発も中国が中心となりつつあり、極端な言い方をすれば、西側諸国は、精々、観光業で中国の旅行者を受け入れるぐらいしか産業がなくなる。 このような難しい状況を更に悪化させたのが、新型コロナウイルス。アジアでは、ほぼ封じ込めに成功しているが、米国と欧州では、第二波が深刻化している。
こんな状況での大統領選なので、内輪もめしている場合ではないが、どちらが勝っても、この大きな流れは変わらないと思えば、イベントとして有効に活用するのは、ありかもしれない。 私が、興味があるのは、勝ち負けよりも、トランプ陣営が、大規模な集会、個別訪問と、ほぼ従来通りの選挙戦をしたにも関わらず、バーチャルで闘うバイデン陣営よりも、感染者が多いと言う報道にはなっていないこと。 単に選挙が不利にならないように報道が制限されている可能性もあるが、もしかしたらロックダウンという極端な隔離をしなくても、マスクと手洗い程度の比較的簡単な予防策で、感染拡大を阻止できることを示唆しているのかもしれない。 今後、トランプ大統領が再選された場合は、そこも強調して、感染予防策が緩くなる可能性がある。
米国大統領というと、日本の首相と異なり、圧倒的な権限を与えられているイメージがあるが、実際には、司法、議会、そして、国民の支持がなければ、できないのだなと、三権分立が機能する姿を見て安心する。 トランプ大統領就任時に心配した、核の発射ボタンを押すのでは?といったハラハラ感も、あくまでもエンターテイメントと捉えるべきと納得する。 ただ、日本から傍観する分には、こんな呑気なことを言っていられるが、現地では、暴動に対する厳戒態勢が敷かれているので、イベントも命懸けと言える。
さて、新型コロナウイルスも、感覚的には、落ち着いた印象があるが、弊社は、横浜市医師会を通じて、横浜市立市民病院、横浜市立大学付属市立総合医療センター、聖マリアンナ医科大学病院の3箇所に、フェイスシールドと、防護服を身に着けたまま、全身を4分20秒で、不活化できる深紫外線LEDシャワーBOXを寄贈させていただく。 贈呈式は11月17日。
令和02年11月06日
決着のつかない米国大統領選挙と感染症対策