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ナイトライド・ストーリー

Chapter 196

今日は米国独立記念日。建国247年と歴史は浅い。世界史に於いて、米国史を学ぶ機会は少ないが、1910年以降、1世紀以上に亘って、GDP世界No.1という凄い国であることがわかる。建国からたった134年で何を為せば、No.1になり、それをどうやって維持してきたか、学ぶべきことは多い。結論を言ってしまうと、変化を受け入れる許容力ではないか?南北戦争は黒人奴隷に対する許容力。その後も、不法入国者や難民を受け入れてきた。また、政治、司法、行政のあらゆる分野で、硬直化しないで、改革が行われるシステムが構築できている。たとえば、司法の陪審員制度はわかり易い。一般市民が合議で判決に影響を与える。特許制度に関しても、日本では、審査官が、まったく見当はずれな特許を類似特許に掲げて拒絶するとか、裁判に於いて、個々の特許の有効性を争わず、特許の数を天秤に掛けるといった信じられないことが行われる。こういう小さなシステムの集大成で国家制度が成り立っている。米国では、その分野の専門家が理解の手助けをする合理的なシステムがある。弊社が特許訴訟を米国で行うのは、そのような事情による。実際に、1件の特許で、5社を相手に実質勝訴を勝ち取っている。レスター・サローが指摘した通り、保守的で変わることができない日本人は大いに見習うべきだろう。日本のGDPはバブル期の頂点でさえ、米国の半分に過ぎず、その後、ほぼ横ばいなのに対し、米国は実に4倍も上昇した。日本経済のバブル期には、日本の自動車、家電、半導体製品が、世界中に溢れ、NYタイムズスクエアの華やかな電飾看板には日本の企業ロゴが並び、ロックフェラーセンターの買収等、日本がマンハッタン島を買い占めるというジョークもあった。当時の米国経済は、GMの車の内装を剥がすとコーラの空きビンや、ポテトチップスの袋が出てくるといった有様で、日本では、未だにアメ車が敬遠される所以である。その後、“Kaizen”といったTOYOTA Kanban方式が取り入れられて、品質が大幅に向上、ブルーワーカーの管理も、徹底的に見直された。Appleのスティーブ=ジョブズが、SONYの大ファンだったことは有名だが、日本人の繊細な感覚で産み出される工業製品は、大きくて、無骨だった当時の米国製品とは、雲泥の差があった。日本の誤算は、韓国の追い上げを甘く見たことと、「働き過ぎ」をキーワードに政府が推進したリゾート法を始めとする余暇促進政策で国民が骨抜きにされたこと。意味不明の休日がやたらと増え、国力が衰えた今、逆に休日を減らすべきだが、不人気な政策を推進する気骨のある政党、政治家はいない。社会のあらゆるシステムが旧態依然としていて、不合理、非生産的であるにも関わらず、変えることができない。

今後、日本が国際競争力を取り戻すために何をすればいいかは明白。手始めに中国の若者を受け入れたらいい。中国人の大学生は就職難に喘いでいる。一方で、日本の大学や企業は、学生不足を嘆いている。先々週、久しぶりに欧州に出張したが、感じたのが、人種の多様性。スペインで乗ったタクシーの運転手はインド人で、以前はオランダに住んでいたが、物価が安くて人が親切なスペインに移り住んだと話した。今や、欧州といえども、様々な人種の人々が行き交う。



15世紀 絹貿易で栄えたスペイン ヴァレンシアの世界遺産
ラ・ロンハ・デ・ラ・セダ

令和5年7月4日

米国建国記念日に思うこと

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