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ナイトライド・ニュース

「2009/6/10 勝つ-中小企業のものがたり- ナイトライド・セミコンダクター2(日刊工業新聞)

ナイトライド・セミコンダクター2 勝つ 中小企業のものがたり一念発起した村本宜彦が社長となり、ナイトライド・セミコンダクターを設立したのは00年。当時、青色発光ダイオード(LED)開発者の中村修二が日亜化学工業(徳島県阿南市)を辞め、米国へ移る行為が「日本の頭脳の流出」として取りざたされていた。加えて、日亜化学と豊田合成の有力メーカーがLEDに関する特許係争を展開していた時期でもあった。一般にはあまり知られていなかった「LED」に世間の目が向けられ始めていた。
出資説明会
ベンチャー支援に対する限界を感じていた村本が動いたのは「何とかならないかという気持ちに駆り立てられたからだ」という。ただ、徳島ニュービジネス協議会の事務局長を務めていた村本が資金を集める道は険しかった。最初に開いた説明会にはベンチャーキャピタルなど20数社が集まった。村本は「しめた。これで順調に集まる」と思った。だが、結局出資する企業は1社もなく、いきなりつまづいた。
「社団法人のトップという経歴はむしろネガティブな評価だった」と村本は振り返る。だが、在任中、破格の賞金1000万円のニュービジネス大賞を設けるなど“破天荒”ともいえる活動は「なんで徳島で」と注目を集めた。ユニ・チャーム会長の高原慶一朗ら有力経営者にも一目置かれるなど、今につながる人脈も培っていた。
産学連携で「LED」

ベンチャー企業
会社設立から1年で建設した本社工場(徳島県鳴門市) 徳島ニュービジネス協議会の設立、運営に尽力した初代会長の植田道雄(現四国化工機名誉会長)らも支援に乗り出した。センサー用の光源に着目村本と技術を提供した徳島大学工学部教授の酒井士郎が捻出した資本金2200万円で、徳島市内に産学連携のベンチャー企業がスタートした。
最初に開発を目指したのは窒化ガリウム半導体。LEDブームという“呼び水”もあり、設立から間もない00年末までに6億5000万円の増資に成功した。会社設立から約1年で、現在の徳島県鳴門市に移転し、01年3月には新工場を建設することとなる。
スピード開発
酒井が徳島大での教え子の工学博士5人を呼び戻し、従業員20人体制で研究開発にあたった。「今まで誰もつくったことのないものをつくる。ITビジネスのスピードを製造業に持ち込む」と、研究に明け暮れた。化合物半導体を製造する有機金属気相成長法(MOCVD)装置を4台導入、開発したのが紫外線(UV)-LEDだった。
UV-LEDは380ナノメートル(ナノは10億分の1)以下の波長で、センサー用光源など幅広い分野への応用が期待されている。UV-LEDには事業性があると判断し、確固たる自信を持っていた村本だが、新たな試練が訪れる。(敬称略)

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