ナイトライド・ニュース
産学連携の半導体ベンチャー、ナイトライド・セミコンダクター(徳島県鳴門市、村本宜彦社長)は東芝子会社の東芝マテリアル(横浜市)と共同で、次世代の白色発光ダイオード(LED)を開発した。同社が得意とする紫外線LEDを利用し、従来の“疑似白色”とは違う自然な色合いを出せるのが特徴。携帯電話、テレビ、証明など幅広い用途をにらみ、量産化への準備を進める。
両社が共同開発に成功した新方式は、ナイトライド社が製造するLEDチップが発する目に見えない紫外線を、特殊な蛍光体を通すことで、可視光線のレベルの波長に活性化し、白く光らせるもの。色の調整がないため、自然に近い白色が出せる。現在の白色LEDは色合いの自然さを示す数値が80以下だが、新方式なら95以上に達するという。
現在の白色LEDは青色と黄色を混ぜて作り出した疑似白色で、配合によっては青っぽい白色になってしまうことがある。このため、赤色を加えるなどの調整をするが、色目のバランスをとるのが難しく、色むらが出てしまうのが難点とされている。
白色LEDを紫外線LEDから作る場合、電気を光に変換するのが難しく、大量生産が可能なレベルの技術開発に成功した例はなかった。ナイトライド社の紫外線LEDチップは、光への変換率を示す外部量子効率が世界最高の53%を越える。
これに、東芝マテリアルの高性能の蛍光体を組み合わせて、製品化に十分な光量を得ることに成功した。
白色LEDは携帯電話やパソコンの液晶バックライトなど幅広い用途に利用されており、また大手家電メーカーがLEDテレビの本格的な販売を始めたほか、一般家庭用のLED証明を相次いで発売している。ナイトライド社はサンプル出荷などを通じて売り込みを図る一方、市場の動向をにらみながら大量生産できる体制を整える考えだ。