Chapter 136
明けましておめでとうございます。新年早々、円高、株価暴落と波乱の幕開けとなりましたが、あまり危機感を感じないのは、年のせいで感度が鈍ったのか、バブル崩壊以降、リーマンショック、その他、度重なる金融ショックに免疫ができたかの、どちらかです。
いざなぎ越えと言われる空前の景気実感が、あまり感じられないので、年末、年始の暇な時間に、この得体の知れない景気というものは、一体何か?を考えてみました。個人的には、度重なる金融危機で、生活に影響を受けた記憶がありません。サラリーマンなら兎に角、経営者として少なくとも18年以上、この会社の舵を取ってきた身としても、そうです。統計上14億人(実際はもっと多い)が暮らす巨大市場中国がすぐ隣にあり、殿がご乱心の米国経済頼みという状況は変わらないものの、米国は、たった3億少々ですから、旅行者という観点だけでも、遥かに期待できます。インドは、13億人ですから、それらを考えれば、先進国の生活に憧れる、向上心旺盛な人々が、家、車、家電製品、旅行と、豊かな生活を求めている状況には変化がなく、悲観的になれというのも無理な気がします。
そして、ある結論に至ったのは、お金の偏在です。今、世界的超低金利時代に、お金は、株、債券、不動産に流れ込んで、生活実感として、豊かになった気がしないのは、そのためです。経済学者レスター=サローが70年代の米国経済を「ゼロ・サム社会」という著書に描きましたが、株は、勝った者と失った者が均衡するゼロ・サムゲームです。だから、統計上、豊かにも貧しくもならず、イノベーションこそが、経済的繁栄をもたらすというJ.A.シュムペーターの古典的資本主義理論が未だに持て囃される訳ですが、皮肉なことにイノベーションを生み出すための投資は、ゼロ・サムゲームで賄われています。更に皮肉なことに、情報通信イノベーションの結果、普及したインターネットのせいで、ネットショップが、実店舗から客を奪っただけでなく、仲介するサービス、物流業者から仕事を奪いました。今後、発展するAI(人口知能)は、頭脳労働さえ奪うとしています。従って、イノベーションが、本当に繁栄をもたらすのか?ということになります。つまり、繁栄の意味することころは、変化ということだと思います。産業革命で、肉体労働から解放されたのと同様に、イノベーションが、社会に大きな変化をもたらし、従来の産業構造を変えて行くという、新陳代謝を促しているのだと理解します。
弊社は、
- UV-LEDで水銀ランプ・イノベーション
- LEDPUREで家電・イノベーション
- µナイトライドで、ディスプレー・イノベーション
ちなみに、レスター=サローは、2010年「消費増税は正気の沙汰とは思えない、輪転機でお札を刷りまくることが必要」と日本経済新聞社のインタビューに答えています。
今年も、皆様の、ご支援、ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。
平成31年 元旦
景気とは?