Chapter 204
3か月前の年末の某イベントの会合で、今話題の元某大臣が「しかるべき時が来たら説明責任を果たしたい」と挨拶したが、「しかるべき時」が政治倫理審査会なのではなかったのか?そもそも、しかるべき時は、3か月前だったと思うし、棺桶に入る直前にしたためた遺書が公開されるタイミングを差しているのだろうか?岸田首相が、遠山の金さんばりに、悪代官たちを成敗してくれることはなさそうだが、高校の世界史の授業で習う司法、立法、行政の3権分立がフランス革命以降、国民主権の近代国家の基礎であり、抑制、均衡することで、過度に権力が集中することを防ぐ筈だった。ところが、長期安倍政権の下で、最高裁判所長官、日銀総裁、キャリア官僚、検察の人事に至る迄、首相官邸の意向が反映される異常な状況を放置してきたツケが廻って来た。ツケは、単に裏金のような端(はした)金で済まされない。慌てて大盤振る舞いしている半導体、コロナ禍にかこつけてばら撒かれたワクチン開発資金、中小・零細企業救済名目のゼロゼロ融資、少子・高齢化対策etc.我々の生活に関わるあらゆるところで、無駄にお金がばら撒かれ、見合った効果が出ていない。異次元とは口先ばかりの支援策、過去、何度も指摘してきたが、一体、誰が起案して、どのように審議されたのか、さっぱりわからない奇策の数々、コロナ禍で、失笑を買った布マスクレベルのお粗末な政策が国民を呆れさせる。異次元の半導体支援などと、したり顔だが、台湾の企業に国費を大量に注ぎ込み、本当に、日本の半導体が復活すると思っているのだろうか?野球WBCの日・台戦で、日本国政府が、台湾チームに莫大なお金を貢ぐことが、正当化されるか?また、先日の熊本工場のオープニングセレモニーには、トヨタ自動車の豊田章男会長の顔もあったが、率直に疑問に思ったのが、半導体を安く買いたいユーザーが、半導体を製造する側に廻るのは、利益相反だから双方に不都合になる。多分、出資を持ちかけられたと推測できるが、政治資金の僅かな裏金の話は、兎に角、どうして、こんな馬鹿げた政策がまかり通るのか、納得の行く説明をして欲しい。「船頭多くして、船、山に登る」ことにならないことを祈る。
こういうことを言ったり、書いたりするのはタブーと理解しているが、あまりにも日本社会全体が馬鹿丸出しの現状に黙っていられない。日本男児たるもの、潔く過ちを認めて、説明責任を果たして欲しい。自らの潔白を主張するために切腹する骨のある政治家がいるとは思えないが、嘗ての日本男児であれば、末代の恥と、腹を切ったかもしれない。少なくとも、議員辞職ということで、綺麗な去り際を演出して欲しい。辞職したとしても、潔白であれば、ちゃんと説明して、次の選挙で、国民から支持を得たらいい。
嫌な世の中だが、安倍元首相銃撃事件がきっかけで、世の中が大きく動いたことは間違いない。テロ行為は如何なる事情があっても認められないが、こんなことでもない限り変わらない日本の事なかれ主義を情けなく思う。山上徹也被告が身を挺して、変われない日本を目覚めさせたと言えるかもしれない。第二、第三の山上被告を生まなくてもよいように、国民が正しいことをはっきり口にして、変わる勇気を持つ必要がある。
令和6年3月1日
無意味な政治倫理審査会