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ナイトライド・ストーリー

Chapter 205

日本が悪代官の処分に時間を浪費している間に、世界情勢は大きく変化した。イスラエルのパレスチナガザ地区への攻撃で、3万3千人以上の人々が亡くなり、犠牲者の1/3を子供が占める。更に、原油価格、株価、為替が不安定になった。以前から指摘しているが、ロシアのウクライナ侵攻が悪で、イスラエルのガザ攻撃が正義ということにはならない。どちらも非難されるべき争いであり、国連は、人道的に一刻も早く終わらせる必要がある。米国のご都合主義にも呆れるが、そもそも、1948年のイスラエル建国に無理があり過ぎる。建国の大義は、2千年以上前、古代ローマ時代に、属州パレスチナが滅亡し、国を失ったユダヤ人は、ヒトラーによるホロコーストに代表されるように迫害に耐えて世界中に離散していた。大きな2つの世界大戦後のごたごたの後、国連の国際紛争調停で、パレスチナ分割案がまとめられた。ユダヤ人は、旧約聖書「出エジプト」に建国をなぞらえるが、イスラム系アラブ諸国には、知ったことではない。いきなりステーキなら、兎も角、いきなり建国は、無理があり過ぎる。ユダヤ人は、商才溢れる民族で、世界中で、ビジネス的に成功したエスタブリッシュメントと言われるエリート層を形成して、陰の政府と呼ばれる。国連が仲裁した形にはなっているが、中東戦争等、従来にも増してアラブが混乱した。

日本は、島国なので、欧州のように他の国と国境を隔てて、行き来する感覚がないが、欧州は、アラブ諸国、ロシア、東欧と国境で隔てられているに過ぎない。米国は、島国ではないが、紛争地域から離れているので危機感が乏しい。従って、米国民の関心は低いが、アラブは石油の利権が絡むので、オイルメジャーは放っておけない。イスラエル政府は、米国の息がかかっているので、何かと都合がよかったが、今回のガザ地区問題に関しては、意向に反している。思い通りにならないのは、米国の地位の低下を表している。

私は、3月中旬、イタリアローマで開催されるEGCPA2024の講演の準備をしていたが開催の直前で講演がバーチャルに変更になった。理由は明かされていないが、ガザ地区紛争が影響したことは明らかである。イスラム教の断食月ラマダン期間中ということもあって、外務省が、渡航者に人が集まる場所でのテロへの注意を呼びかけた。私は、安売りチケットで予約手配を既に済ませていたので、キャンセルは勿体ないと、危険を承知で、ローマまで行って講演した。怖いモノ見たさで、コロナ以降、海外渡航が解禁されたこともあって、世界情勢を自分の目で見たかった。ローマの遺跡では、警官、場所によっては武装した迷彩服の軍隊が自動小銃を構えて、テロを警戒するものものしい雰囲気に包まれていた。また、中国人観光客の数が激減したことが印象的だった。以前なら、トレビの泉のような名所であれば、中国人で埋め尽くされていたと思われるが、ほとんど見かけなかった。帰りの関西国際空港便もイタリア人観光客が多かった。ウクライナ戦争の影響で北回りが少ないのか?初めて利用したアラブ系の航空会社は、アブダビ経由で紛争地域近くを飛ぶので不安もあったが、最新式の機材で、映画の日本語字幕がないこと以外は快適だった。

イスラエル建国記念日5月14日に何もなければいいが、日本は暢気過ぎる。

ガザ問題と無関係とはいえない古代ローマ遺跡

令和6年4月8日

ご都合主義で緊迫する世界情勢

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