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ナイトライド・ストーリー

Chapter 208

マスコミは、東京都知事選の話題で持ち切りだが、人々の関心が政治にあるというのはよいことだと思う。私も東京都民ではないが、自民党をはじめとする従来の政党では改革を断行できないと感じている。年功序列、事なかれ主義といった弊害は、民間企業にも当たり前のように蔓延し、企業を破滅へ導く。政治家の世界でも事情は同じとはいえ、駄目だ!駄目だ!と批判することは簡単だが、どう変えるか道筋を示せるかどうかが重要となる。日本が抱える問題点は、大体以下の3点に集約できる。1.少子高齢化、2.経済停滞、3.膨大な財政赤字。この3つは、実はほぼ同じ根本原因から発生しているので、その根本原因を解決すれば、全て解消できる。実は、人口構成に尽きるのだ。以下に説明しよう。 まず、1番目の、結婚しない、子供を産まない理由は、将来が見通せないという、経済的事情によるが、これは収入の多寡の問題よりも、先行きが読めない理由の方が大きい。明るい未来がなければ、子供もない。2つ目の経済の停滞の理由は、国際競争力の低下が原因だが、これは、完全に政策の失敗で、3つ目の財政赤字とも関連していて、企業の収益が伸びないので、国がバラマキ政策で景気を浮揚させようとする悪循環に陥っている。たとえば、2000年から始まった介護保険制度のように、安心、安全な老後といった、現役世代よりも年金生活者の人気取り政策が増えて行った。当時、長野県知事に当選した小説家田中康夫氏が掲げた「脱ダム宣言」に見られるように、無駄な公共工事を減らすことで、財政を立て直すという流れから、個人、それも高齢者に直接メリットを訴える選挙公約の流れは、有権者が高齢化する環境では当然と言えるが、その結果、日本経済の国際競争力を高めるための予算配分が減り、折角、無駄なダムの建設がなくなったにも関わらず、選挙の度に、高齢者のご機嫌をとる政策を並べ立てることとなり、財政赤字は増える一方となった。現役世代や子供の将来を見据えた政策が疎かになり、そのツケが廻って、失われた30年となった。

従って、解決策は、至ってシンプル。1.若者が将来像を描ける経済ビジョンを提示して、人口構成を正常なピラミッド形に近づける。2.年金生活者の人気取り政策を止めて、国際競争力を高める投資に切り替えるという2つだろう。

具体的解決策としては、放置した期間が長すぎるので、かなりの荒療治が必要になる。たとえば、フィルピン、インド、インドネシア、タイ、ベトナムといった国々から、特待生として、中学生、高校生、大学生を、可能ならば1億人招く。1億人招けば日本人の平均年齢が46歳から33歳に下がる。そして、日本側は、ホストファミリー、場合によっては養子として、これらの留学生を招き入れる。当然のことながら、授業料は無償とし、ホストファミリーに対しては、扶養補助金を出す代わりに、所得税を優遇若しくは免除する。これらの留学生には、大学卒業後、日本国籍を与え、その代わり、5年間は日本国内で就職して働くことを義務付ける。1億人の若者を補充できれば、20年以上の政策の空白を埋められる。

私は、選挙に立候補するつもりはないが、もし、立候補して、政治を変えたいという志のある若者がいれば、応援したい。

達磨は日本の将来をどう見ているだろう?

令和6年7月10日

東京都知事選で感じた事

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