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ナイトライド・ストーリー

Chapter 209

2024 Parisパラリンピックでも、日本選手のメダルラッシュは止まらない。パラリンピックの語源はParallel(並行)+Olympicで、Handicapped(障害者)という言葉は使用されない。障害者という表現が使用されない理由は競技を見れば納得する。躍動感に溢れ、強い生命力を感じる。障害ではなく個性と捉えた方がよい。五体満足という言葉があるが、私は、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚に異常がないことだと勘違いしていた。諸説あるが、頭、胴体、腕、脚、に魂を加えて五体とする説が腑に落ちた。魂が抜けると死体になるという宗教的な解釈だが、パラリンピックの選手を見ていると、魂の強さ、逞しさが、オリンピック選手より更に強いと感じる。四体は健康でも精神的に病んでいれば、五体満足ではない。 選手自身、ご家族、支援者が、今迄辿って来た道のりは、凄まじいものだったことは想像に難くない。絶望などという単純な言葉では言い表せない。それを微塵も感じさせない堂々とした姿に、こちらが恥ずかしくなる。自分の弱さ、不甲斐なさを感じずにはいられない。私も還暦を超えて、まだまだ努力が足りないと痛感させられた。日本のお家芸LEDは、韓国、台湾、そして、中国企業の攻勢で嘗ての勢いを失ったが、もう一度巻き返しを図りたいところだ。幸いにも、UV-LEDは、市場が二ッチ過ぎて、規模を追う中国のLEDメーカーが淘汰されつつある。また、水銀ランプがいよいよ製造できなくなり、UV-LEDに置き換える動きが始まりつつある。UV-LEDの発光効率は、波長によって異なるが、樹脂硬化、露光など産業用途に使用するi線と呼ばれる365nmでは、30%、385nmでは40%以上と、水銀ランプを上回り、今後、50%以上に向上する。「半導体、半導体」と、株式市場でも、半導体銘柄がブームだが、それらの製造に欠かせない露光装置の光源には、未だに水銀を含むUVランプが使用される。エコロジーだの、SDGsだの、イメージ先行で、実の伴わない事例の最たるものだ。ご承知の通り、水銀は、環境汚染物質で、日本の四大公害病のうちの熊本県と新潟県の2つの公害は有機水銀中毒によるものである。1956年に公式に水俣病が発見されて以来70年以上が経過するが、未だに患者と国、企業の訴訟が続いている。その水銀ランプを大量に消費する台湾TSMCの大規模工場が熊本県に誘致された現実は皮肉である。国は、熊本県に対する免罪の意識があるのかもしれないが、もしそうであれば、熊本県に設置される半導体製造装置の光源は、全て水銀を使用しないUV-LEDに規制すべきだ。日本発のUV-LEDで、熊本のみならず世界中の半導体製造工場から水銀ランプを根絶できれば、社会的意義だけでなく、UV-LED産業の規模拡大による、経済波及効果も期待できる。確かに、水銀ランプメーカーには死活問題かもしれないが、照明がLEDに置き換わり、自動車のEV化、AIの進化が加速する中、これらの中核をなす半導体の製造に、半世紀以前の化石技術が使用されるというナンセンスは改めなければならない。 オリンピック、パラリンピックの日本選手の活躍を見れば、日本経済の没落度合いは、桁外れと見える。経済界は、大いに反省して奮起しなければならない。

大面積10mm×10mm 波長365nm UV-LEDの発光の様子

令和6年9月4日

2024 Parisパラリンピックに感じること

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