Chapter 73
新年明けましておめでとうございます。
お陰さまで、弊社は2012年上半期、過去最高の売上と利益を計上し、通期でも5期連続、増収・増益を達成する見込みとなった。これも一重に皆様方の日頃のご愛顧の賜物と心より御礼申し上げます。
創業から13年を迎えるが、未曾有の不景気で好業績の理由は、赤字に苦しんだ7年間があったからこそと言える。たった10名の従業員、コアとなる結晶成長以外の加工は工賃の安い海外でODMと徹底的に原価を切り詰めた儲けるための仕組みがある。また、ニッチ分野なので競争が少ないということもあるが、大手LEDメーカーとの競合においても、性能、品質において互角以上の製品を供給できているという自負がある。
韓国、台湾の電子部品業界は好調というイメージがあるが実体は全く異なり、彼らは生き残りを賭けたタフな戦いをしている。LED業界はここ数年の過剰投資の反動で今年中に韓国、台湾の大手LEDメーカーの半分が淘汰されると噂されている。これらLEDメーカーは、TV用バックライトユニット用の白色LEDを量産して急成長したが、需要が頭打ちになり、過当競争で価格が下落し業績が急速に悪化している。期待の白色照明も不発で、今年はUV-LEDマーケットへ参入すると発表している。
我々には、この戦いに勝つ勝算がある。なぜなら、UV-LEDは、あくまでもニッチマーケットであり、大手LEDメーカーが潤う程のマーケットがない。大きな魚は小さな桶の中では生きられない。また、UV-LEDは、ただ光ればいいLEDとは文化が異なり、物質に働きかけなければならない。従って、そこにはアプリケーションメーカーとの密接な連携が必要であり、作ったものを押しつけるビジネススタイルでは対応できない。
万が一、彼らに一時的にマーケットを奪われたとしても、我々には数年間に渡って、今迄通り従業員の雇用と製造を維持できるキャッシュの貯えがあり、儲からなくなったから即撤退といった無責任なことをするつもりはない。そもそも、UVに手を出すようになってはおしまいだ。正に断末魔のあがきと言える。
また、弊社も彼らの参入を手をこまねいて待っていた訳ではない。昨年、新規に結晶成長のMOCVD量産設備を導入し、製造キャパシティを10倍以上に拡大すると共に、NEDO、国、県の補助金を有効に活用し、製品の性能を飛躍的に高める一方、コストを大幅に下げる技術も確立し、迎撃態勢は整っている。
今年は、弊社が竜となって天高く昇るか、蛇のまま終わるか命運を分ける年になると理解している。
皆様のビジネスが益々ご発展されますようお祈り申し上げると共に、引き続き皆様方のご愛顧賜りますよう、何卒、宜しくお願い申し上げます。
2013年 元旦
新年にあたって