Chapter 81
明けましておめでとうございます。
日本は、国の財政改善、市場開放と、懸案事項に手がつけられ、社会全体が健全な方向へ動き出す節目の年になりそうだ。
これらは痛みを伴う厳しい選択ではあるが、長い目で見れば方向性は正しいので、歯を食いしばって乗り越えなければならない。
世界的には、米国は株価が上昇し景気が回復しているように見えるが、実体としては富裕層が金融緩和の恩恵を受けて財テクで資産を増やし、貧富格差が広がったに過ぎない。欧州はスペイン、ギリシャで相変わらず若年層の失業率が高く、独以外は厳しい状況が続く。また、中国、インド、ブラジル、南米等新興国も一時期の勢いを失い、世界的な不況を補える状況にはない。
UV-LEDの分野においては、韓国、台湾メーカーとの競争が熾烈になり、弊社は、昨年は防戦一方の厳しい年になった。正直このままでは潰れるという強い危機感を持ち、思い切った対策を取った。ソウル半導体の子会社との業務提携、NEDO補助金による新技術開発が代表的なものだが、勝ち戦に慣れてしまった従業員の意識改革、HPの改訂等、あらゆるところでできる限りの手を打った。
その甲斐あって、昨年末に発売したハイパワーUV-LED6SMG・6SVGシリーズは好評で、反転攻勢のきっかけとなった。私は、企業に限らず、個人がこの厳しい世界競争時代を生き抜いて行くのに必要なことは以下の4つと思う。
- 悲観的状況判断力
- 楽観的実行力
- スピード
- 独自性
要約すると、現状に甘んじることなく、悲観的に自分の置かれた状況を見極め、失敗を恐れず、迅速に、他人の模倣ではなく自分自身で考えた正しいと思える道を進む。
弊社としては、5期増収増益で迎えた今期は厳しい状況で始まった。世界に先駆けて開発したアドバンテージを失い、特許と品質にこだわらなければ安いUV-LEDが市場に出回るようになった。そこで、顧客が必要とする最適なUV光源をウエハ、チップ、パッケージそして照射器に至るまでUV-LEDのマイスターとして、単に製品を供給するだけではなく、アプリケーションに応じた最適な照射方法をカスタマイズし、提案できる存在になることを目指す。
また、海外メーカーの知財侵害行為には厳しく対処して行く。それは知財を侵害して製造された安いUV-LEDが組み込まれた最終製品を市場から締め出し、最終製品の価格下落を防ぐという意味でユーザーの利益に繋がる。
今年も、従業員一同、誠心誠意、皆様のご要望にお応えできるよう努力して参りますので、宜しくご指導ご鞭撻の程お願い申し上げます。
平成26年01月06日
代表取締役 村本 宜彦
