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ナイトライド・ストーリー

Chapter 92

今年も残すところ僅かとなった。弊社にとって今年は新たな飛躍の年になった。以前にも触れた通り、現状を冷静(かなり悲観的と言える)に分析し、そのための思い切った(やり過ぎと思える程)対策を取った効果が表れた。今年は弊社初となる新聞広告も経済3紙で実施した。運良く広告掲載日が青色LEDのノーベル物理学賞の発表と重なり、期待した以上の掲載効果が得られた。昨年末の水銀に関する水俣条約締結以降も、なかなか切り替わらなかった紫外線(水銀)ランプからUV-LEDへの切り替えも、少しずつではあるが動き始めた。

青色LEDは既に20年以上前の技術だが、UV-LEDは実用化という意味ではこれからの技術だ。世の中全体としては雲行きが怪しい感じがしないでもないが、UV-LEDの将来は明るく見える。その証拠に今期の売上は過去最高を記録する見込みで、年末ボーナス以外にも10月末にも臨時ボーナスを支給した。売上の大半は紙幣識別用途が占めるが、下期はハイパワーUV関連の引き合いが増えている。今後、韓国の提携先ソウル・バイオシス社との連携を一層強固なものとし、ハイパワー製品の一層の性能及び信頼性向上を図る。

来年早々にも新製品を投入し、競合製品との性能差を拡げ圧倒的優位な状況に持ち込みたい。研究開発においては従来技術の延長線にあるやり方以外に、全く異なるアプローチを検討している。これを「飛び道具」と呼んでいるが、刀の時代に鉄砲を持ち込むようなやり方をしないと戦国時代は勝ち抜けない。高学歴のお利口さん達には思いもよらないような事を考えている。

日本の景気は、今の日本の実力を考えれば他国に比較してそれ程悪くない。ただ、今までのような恵まれた状況は維持できない。高度成長期に貯金するどころか、更に借金してばら撒くような愚かなことをして来たのだから仕方ない。正にローマ帝国のコロッセウムである。但し、私はこの点には意外と楽観的である。その理由は相続税だ。ご承知の通り来年4月から相続税が大幅に上げられる。国があまりこの点を強調しないのは不思議だが、消費税をちまちま上げるよりも借金解消の特効薬として遥かに期待できる。米国だったらロビィストの反対にあって廃案になっていただろう。日本はそのような意味では平等な国だ。先祖の財産は後世に引き継げない。経済の活力維持という意味でも良いことだと思う。

貧乏な家に生まれたことを悲観せずに済む。誰もが平等に大金持ちになる夢を抱ける。

悲観的に物事を捉えることは飛躍のためには重要だ。このように恵まれた日本ではあるが、来年も悲観的に捉え、やり過ぎと言えるように手を打って行きたい。

平成26年12月24日

サンタは待っていても来ない

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